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agrizm No.31 綾彩 あやや

綾部市有岡町で新規就農し、万願寺とうがらしとえび芋を栽培している綾彩の隆太朗さん。以前は、広島で花の苗を栽培する仕事に携わっていたこともあり、花が好きでいずれは花の栽培も再開したいという。「自分は飽き性だけど農業に関しては一度も辛いとか辞めたいと思ったことがない。天職だと思っている」という隆太朗さんは本当に楽しそうだ。ハウスが3棟あり、今シーズンの万願寺とうがらしの収量は約6トンほどになった。

農家としての収入も確保しながらいろんなことにチャレンジして行きたいという。その一つが「アクアポニックス」聞きなれない言葉だが、SDGsやサスティナブルといった地球環境を崩すことなく自然に配慮した取り組みが進む中、今世界で注目されている農業だ。水中で野菜を栽培しながら魚も養殖する。魚のフンが水中のバクテリアによって栄養素に分解され植物が育つ。また、育つ野菜は、ろ過の役割を果たし浄化され、水質も保たれるという。尚且つ、養殖した魚も出荷できるのだ。しかし、そんな簡単な話ではないという。設備投資が必要なこともあり、まずはしっかりとした軸を持つため、来期は栽培拡大に向け、もう一棟ハウスを増やす予定だ。

また、今年は落花生の栽培にも挑戦した。日本で販売されている落花生のほとんどが乾燥された輸入品、生で国産というのは出回る数も少ないため高級品だ。落花生は、土の中で育つため収穫後、網目にびっしりと付いた泥を落とす作業に追われる。「専門農家なら機械で洗えるが手作業のため大変だった」という。

今後も、万願寺とうがらしでしっかりとした収入が得られる自信を持ち、次は何ができるか、どうすれば効率よく栽培できるだろうかと考え、実行しようと奮闘している隆太朗さん。その姿は、遥か先を見据えているようだった。今後の活躍が楽しみだ。

agrizm No.30 由良オリーブを育てる会さん

宮津市由良でオリーブを栽培している「由良オリーブを育てる会」の会長を務める藤本徳雄さんにお話をうかがった。
近年、高齢化が進み耕作放棄地が増えてきたため、有効活用できないかと平成25年、宮津市の働きかけによってオリーブ栽培を始めた。温暖な気候で育つイメージがあるオリーブ、日本海側では初の試みだったという。現在、会員は40代から80代までの15名が所属し、農園も徐々に増え今では7ヶ所、約2千本のオリーブを育てている。
広報を担当しているのは、会長の奥様 早苗さんでインスタグラムやツイッターなどでオリーブ園の風景やイベント情報を発信している。
昨年は、花粉が飛ぶ時期と6月の長雨が重なり、更には裏年だったこともあり、今までにないほど不作の年だった。しかし今年は、雨の降るタイミングが良く豊作だ。「気候や年によって収穫量が変わってくる。大変なこともあるけど成長していくオリーブは子供のようにかわいい」と早苗さんは話す。
商品開発や梱包作業などは、所属している会員の奥様たちによる『女性会』がおこなっているという。オリーブの葉っぱには、ポリフェノールが豊富で捨てるのはもったいないと商品化をすすめた。そこで完成したのがオリーブ茶と手焼きおせんべい。メンバー達は、由良オリーブの魅力を余す事なく楽しんでほしいと取り組んでいる。ブランド力を高めるため、オリジナルロゴも作った。環境や農業の未来、地域活性化のため、こだわりを持ちながらも楽しく取り組む事で多くのアイデアが生まれていく。
由良オリーブを育てる会では、毎月第4土曜日にイベントを行っており、次回の11月24日は、収穫祭も同時開催予定だ。最新情報は公式インスタグラムでお知らせする。

agrizm No.29 吉田農場さん

朝来市和田山町にある自然豊かな場所、約40ヘクタールと広範囲の水田で美味しいお米をつくっている吉田農場の吉田和之さん。実家が代々農家だったこともあり、いずれは後を継ぐため農業高校で勉強。卒業後は、父の元で就農した。米づくりのノウハウを教わり5年程たった頃、父を亡くし、若くして後を継ぐこととなった。

「こんなに早くとは思っていなかった。まだまだこれからいろんな事を教わっていこうと思っていた矢先の事だったので大変でした。」と話す和之さん。それでも従業員の方達と共に、こだわりの米づくりを続けてきた。その一つが「ひょうご安心ブランド」の認定を受けていること。子どもも大人も安心して美味しく食べてもらえるようにと厳しい基準を守り栽培している。もちろん味も一級品。どんな料理にも合う『ひのひかり』、甘くもっちりとした『こしひかり』、その他、もち米や酒米も栽培している。酒米は地元の老舗酒造 田治米合名会社の『竹泉雄町』に使われている。また、養父市にある奥様の実家のパン工場 ピーターパンでは、竹泉雄町の酒かすとお米粉を使用した無添加の『酒かすスフレ』を開発し、受注販売を行なっている。こうした地元の繋がりや家族の繋がりによって商品は生まれ、愛されているのだ。

今年は、ゲリラ豪雨に見舞われる事もあったが、穂をつけるタイミングが良かったため、お米の出来も上々という。日々変化する気候により、毎年同じようには行かないのが農業。しかし、その分やりがいも感じている。

「来年は息子が農業大学を卒業して帰ってくるので、親子で頑張っていきたい」と話す和之さんは嬉しそうだ。

吉田農場さんの新米は、道の駅 但馬のまほろばで販売している。また、公式ホームページからも購入できる。

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agrizm No.28 遠坂きのこ農園さん

朝来市で国産きくらげを栽培している遠坂きのこ農園の木下さんご夫婦。標高370mの澄んだ空気と天然水が湧く場所で農薬を使わず丁寧に育てている。

きくらげは、栄養価が高くビタミンDや食物繊維なども豊富で、近年では、美容と健康に良い食材としてメディアなどでも紹介されている。しかし、日本で栽培されている国産きくらげは5%程度と、国内流通は極めて少ない。スーパーなどで売られているのは殆どが外国産。それだけに無農薬の国産きくらげが食べられるのは嬉しい。

幸一さんは元鉄道の運転手。のどかな田園風景が広がる景色の中、毎日電車を走らせていた。そんな風景の中、飛び込んできたのが農薬散布。『毎日食べている米や野菜の中に、どのくらいの農薬が使われているのか?子ども達が口にしても平気なのか。健康被害はないのだろうか?』と疑問を抱くようになり、安心して食べられる食材を自分で作ろうと転職を決意した。きくらげを栽培する上で大変なのが、ハウス内の温度・湿度管理の徹底。竹田城とほぼ同じ標高にあるため、冬は冷え込む。また、雑菌が入らないよう衛生面にも気を配らなければならない。過去には、朝食に納豆を食べた事で、きくらげが全滅してしまったこともあった。 それでも、もう一度一から栽培して順調に育ち、会社も軌道に乗り始めた頃、幸一さんが脳梗塞で倒れてしまったという。退院後、リハビリを重ね復帰。「大変だったけど、お客さんから美味しかったという声を聞くと嬉しい。諦めることなく栽培を続けてよかった。」と、ご夫婦が笑顔で話してくれた。遠坂きのこ農園さんの商品は、福知山・綾部・舞鶴の三ツ丸ストアと業務スーパーで販売しているほか、直接、農園に行って購入する事もできる。

agrizm No.27 ARISA GARDEN 京都さん

舞鶴市で万願寺とうがらしを栽培しているARISA GARDEN京都の奥野亜里沙さん。自然に囲まれ、蛍が翔び交う山水が流れる場所に畑はある。この美しくキレイな水でじっくりと栽培された万願寺とうがらしは肉厚で甘い。新規就農して3年目となる今年から、露地栽培と並行してハウス栽培も始めた。ハウスを立てる資金の一部をクラウドファンディングで160人もの支援を集めた。実家がお茶農家ということもあり、リターンには自身が作った万願寺とうがらしと家族で育てた日本茶を届ける予定だ。
「舞鶴発祥の地と言われる万願寺とうがらしを知らない人は全国にたくさんいる。私が育てた万願寺とうがらしを食べてもらいたい。そのためには、まず知ってもらうことも大事だから、支援してくださった方々にも届けたい」という亜里沙さん。農作業以外にも出荷、経理、広報なども一人で行なっている。また、月に一度、京都FM丹波「Newstyle農家さんに聞いてみた」のパーソナリティーも務めている。
昔から大好きだったという万願寺とうがらし、「日本一食べてるんじゃないかなと思う。それくらい大好き!」と話す。理想の肉厚、色艶、味にするため試行錯誤。安全に美味しく食べてもらうため、厳しい農薬使用基準を守り栽培している。直売で届く万願寺は開けた時に感動するような太く大きなものを選び丁寧に箱詰めする。元自衛隊の経歴を持つ亜里沙さんは、力仕事の多い農作業も難なくこなすが、「唯一苦手なのが虫で…何度、悲鳴をあげたことか…」という可愛らしい一面も。大変な事もあるが、農家としてやって行く手応えを感じる日々。「全国のお蕎麦屋さん、おうどん屋さんで自分が育てた万願寺とうがらしの天ぷらが食べられるようにしたい」と夢を語ってくれた。

agrizm No.36 凸凹ファームさん

丹波市市島町で農薬・化学肥料不使用、年間30品目の野菜を栽培している凸凹ファームの奥川さんご夫婦。新規就農して2年目を迎える。

三重県出身で、IT関係の仕事をしていたご主人と事務職をしていた奥様。農業とは別世界にいた二人が忙しい毎日の中でふと、今後の事を考えるようになった。本格的に農業の勉強をしたいと思うようになった頃、導かれるかのようにこの場所に来たという。「都会にいた時よりも、ここにきてからの方が知り合いが増えた。農業のことで相談したら良い人を紹介してくれて、またそこから広がって。みんな温かい方たちばかりで」と、人の繋がりの深さに感謝している。

新規就農して順調とはいかず失敗も経験した。毎日欠かさず閉めていた電気柵を一晩閉め忘れただけでサツマイモ畑が獣に荒され全滅したり、ジャガイモが思うように育たなかったり。でもそんなことでは落ち込まないのが奥様。「失敗があるから前に進める。成長のためには必要だから」と、笑いながら話してくれた。今年栽培中のジャガイモとニンニクを見せてもらうと、茎もしっかりと太く伸び、収穫目前にまで育っていた。良い土壌にするため緑肥にも力を入れているという。また、必要以上に雑草を刈り込まない。「こだわりはコレ!って言えるほど農家になって年数も経っていないので、まだいろんな事を試している段階」というご主人。しかし、畑に育っている野菜は、どれも愛情たっぷりに栽培されているのがよくわかる。化学肥料を使えば野菜は早く大きく育つが虫が付く、そのために農薬が必要になってくるが、使わない。その時点でもう『こだわり』なのではないだろうか。

消費者が安心して食べられる美味しい野菜を届けるため日々奮闘している。

agrizm No.25 おちゃのこ菜菜さん

生まれ育った地元、福知山でこの春新規就農したおちゃのこ菜菜の千々岩千夏さん。ご主人の地元に嫁ぎ10年たった頃、野菜嫌いだった子ども達にたくさん食べて欲しいという思いがきっかけとなり、緑豊かなこの福知山で本格的に農業をしたいと考えるようになった。
先ずは土壌作り。米ぬか・魚粉・油かすなどを使い、毎日混ぜ続け、2トンもの発酵肥料を作った。更に東京ドーム3個分の籾殻を畑に混ぜる作業を行い、フカフカで発酵パワーを活かした土壌に仕上げた。
農業を始めた頃は何度も泥濘に軽トラックがはまり苦戦した。「その度に周りの農家さんに引き上げてもらって助かった。困っていたら声をかけてくれるし、私が倒れてないか気にして見てくれているんです。」と笑顔で話す千夏さん。温かい人達や幅広い世代の方と繋がれる事も農業の魅力なのかもしれない。
新鮮な地元野菜に親しみを持って欲しいと、定期的に保育園の子ども達に農業体験を行っている。また、こだわりの土づくりでエコファーマー認定を受け、今年度からは学校給食にもおちゃのこ菜菜の野菜が使われることとなった。
加工品にも力を入れてきた。作るきっかけとなったのが、ご主人の故郷、福岡に帰省する時、福知山のお土産でいつも悩んでいたという千夏さん。「だったら自分で福知山土産を作ればいいじゃない」と行動に。試作を重ね、出来上がったのが『万願寺ディップ』。万願寺みその旨さとコクを残し、ごま油が入る事で、何にでも合う万能調味料に仕上がった。
「今後はもっと多くの人が、おちゃのこ菜菜の野菜が食べたいと言ってもらえるように、私が作った野菜を食べてこの味を知ってもらいたい。」と、地域とのつながりを大切に活動している。